网络新闻翻译的专业规范:一种基于信息结构分析的跨学科探索(日文版)
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第1章 序論

1.1 研究背景

世界のグローバル化とインターネットの普及を背景に、異文化間のコミュニケーションが一層緊密になっている。それを背景に、国家間の情報伝達に不可欠な一環であるネットニュースの翻訳は、かつてない規模と迅速性を見せている。このようなメディアの革新による翻訳実践の飛躍的な発展とは非均衡的に、ネットニュースの翻訳をメディアの特徴から取り扱う研究はまだ十分とはいえない。

1.1.1 理論的翻訳研究

ネットニュース翻訳を考察する理論的研究は末だあまり量的な規模を備えておらず、上位概念のニュース翻訳でも、それをめぐる学問的研究が実践の活発化に相当するだけの重視を得ていない。一部の文化的状況では、ニュース翻訳は原文記事に載せる情報要素をそのまま訳文に移し替えるだけの実務翻訳であるから、理論よりむしろ経験のほうが大事だという認識が根強い。

中国ではニュース翻訳を国家の「外宣(対外宣伝)」行動と位置付け、外国に向ける情報伝達という文化的志向性を中心に、大いに理論的研究が展開されてきた(黄,2007)。とくに一般的理論の検証に集中するパターンのものが多い。代表的な理論は「機能主義的翻訳理論」である。

機能主義的翻訳理論はなぜ翻訳が行われるかを答えるための理論体系であり、主として目標テキスト(Target Text;以下「TT」と略称)の機能性をめざす翻訳目的の翻訳行為に対する決定作用を論じるものである。それによると、TTは起点テキスト(Source Text;以下「ST」と略称)の情報についての再提供であり、翻訳者は、STとTTそれぞれの文化的状況において、両テキストをその機能によって関連付ける。そして、翻訳の情報提供は不可逆性を備えている。つまり目標文化(Target Culture;以下「TC」と略称)でのTTの機能は必ずしも起点文化(Source Culture;以下「SC」と略称)でのそれと同一ではない。機能主義的翻訳理論はTTの文化的環境のもとで、TTの機能性を優先させ、STに対する分析の目的はTTの機能性にある理論であるが、SCの特徴がTTの機能に及ぼす影響には触れていない。

一方、TTの置かれる文化的環境を中心に大いに研究が展開されているなか、ニュース翻訳と文芸翻訳、ネットメディアとプリントメディアといったテキストタイプ別、メディア別での差異については、あまり的確に説明できないのである。一言にでいうと、ネットニュース翻訳の理論的研究では、SCの翻訳に及ぼす影響がまだ視野に入っておらず、STのテキストタイプ別の個別的理論が欠如しているという問題点を抱えている。

1.1.2 記述的翻訳研究

1.1.2.1 依存する一般的理論の不明瞭性

記述的翻訳研究(Descriptive Text Studies:略称は「DTS」)は、TTをTCのシステムの中に位置づけ、TTの意義と受容性を考えたうえで、STとTTを比較し、両者におけるシフト(言語上の小さな変化、言語的ずれ)をふまえ、該当する種類の翻訳「規範」を同定するのを骨子とする翻訳の方法論である。「規範」とは実際の翻訳における等価のあり方を決定するための社会文化的制約であり、規則と特異性の間に位置する概念である(マンディ2009:173)。DTSの中核的部分である「シフト」が成り立つ前提は、STとTTが何らかの関連付けで等価でなければならないということにある。河原(2013)は、翻訳を「二言語間で等しい価値を実現すること」と定義しているが、DTSの創立者であるトゥーリー(Toury)は、翻訳行為を分析する際、最初からTTはSTと「等価(equivalence)」であると想定し、両テキスト間の関係の網の目を同定しようとする。

翻訳理論の研究史において、「等価」は長い間、翻訳とは何かを哲学的に問う理論に位置づけられ、とくにイデオロギー的、文化的視点に依拠する諸学説から、翻訳の社会的側面を看過しているとして、批判を浴びせられている(河原,2015)。だが、「翻訳は等価に始まり、等価に終わる」と言われる(Bassnett,2004)ように、「等価」は翻訳者の努力する目標で、読者の追い求める意義でもある。等価概念の非規定的定義は、TTの適切性が文化的状況に呼応して変化することを可能にするため、翻訳の結果、機能およびプロセスの動態的な記述的研究に適用されている。しかし、前述のように従来までのDTS理論がTT傾斜で、「等価」に対する認識が不明瞭なため、SC依存のSTテキストタイプの影響を考慮に入れる記述研究は遅れている。ゆえにSCとTCの対応関係、STとTTの間におけるシフト体系の把握は、翻訳の多言語性、多様性に応じきれない状態となっている。

1.1.2.2 TT機能の記述的モデルの限界

ニュース翻訳は、情報伝達を主要な機能とする一般的な認識の中で、これまで、記述的分析によく利用される言語モデルは、ハリデー(Halliday)の「選択体系的機能文法(Systemic Functional Linguistics:略称は「SFL」)」である(王,2011)。SFLでは、その理論の中の「コンテキスト」、「選択体系システム」という概念装置の下で、文化状況に置かれる言語機能を考察する。だが、過剰に複雑な文法用語で動態的な社会機能を説明する点はやや矛盾している。そして、分析モデルは英語中心である(朱,2001)ため、本研究の取り扱う、中国語STを日本語TTに翻訳する、いわば中日翻訳の分析には通用できない。さらにTTの機能に研究の重きを置くのが原因で、STの機能を分析する場合、主観性を免れない。分析対象は形態素から単語、語の組合せ、文までにわたるが、テキスト全般にわたるシフトの考察がなされていない。このようにこれまでの記述的翻訳研究は、テキストを対象とする研究が足らず、テキストを単位とするネットニュース翻訳の全体像を把握することに限界を有する。

1.1.2.3 翻訳プロセスの記述的研究の制限

ナイダ(Nida)は、チョムスキー(Chomsky)の生成文法を翻訳プロセスの研究に取り入れ、翻訳行為が分析、転移、再構成というプロセスを経由すると述べている(Nida,1969)。ナイダの翻訳プロセスモデルは核文が中心的な概念である。翻訳者は表層意味から核文を抽出し、そこからTLの表層構造を作り出す。核文は、すなわちTLへ転移される情報そのものである。セレスコビッチ(Seleskovitch)とレデレール(Lederer)は解釈モデルを提出し、翻訳を三つの段階のプロセスとして分析する。第一歩の「読みと理解」の段階では、翻訳者はすべてのテキストに同じような距離感覚で接することはない(マンディ,2009)と述べられ、コンテキストの翻訳プロセスに対する影響が示唆された。次いで、「脱言語化」の段階では、記号変換の概念が提出され、言語記号から情報への認知的処理を強調する。最後の「再表現の段階」はすなわち情報から言語に転換される行動である。

上述の二者のプロセスモデルは、いずれも翻訳プロセスの考察をきっかけに、翻訳の学際的研究を一層高くかつ広い視野に推し進めた。だが、二者とも人間の認知的構造や人工知能の観察に重心を置くことが原因で、認知プロセスに対する客観的な観察には翻訳学中心でもそれなりの限界がある。一言でいうと、翻訳プロセスの研究には、導入しやすい学際的理論の介入が必至となっているということである。

1.1.3 応用的翻訳研究

翻訳業界では今も、翻訳とくに実務翻訳に対する翻訳理論の指導力が疑われている。前述のように、その背景には、個別的な実務分野に対する純粋な翻訳研究の不足がある。マクロ的な一般理論とミクロ的な翻訳技法の運用·評価を架橋する個別的理論、とりわけジャンル別、テキストタイプ別を論じる理論が、実践に直結する積極的な役割をまだ十分発揮できていない。このような空洞化した理論体系で、ますます細分化している翻訳現象を評価·説明することは、翻訳者に理論を押し付ける逆効果を招きかねない(ダニエル,2012)。

一方、各理論の概念装置の定義や目的、理論体系での位置づけ、機能などについて、統一的な融合が取れないまま、用語さえ混乱状況にある。翻訳学習者に向けて翻訳学の体系的把握をさせずに、林立する諸学説をそのまま教授するという伝統的な養成パターンがいまだに主流を占めている。翻訳プロセスにおいていつ、どのような理論を利用すべきかを説明するには、まず第一に翻訳学全体を俯瞰する理路整然たる体系が不可欠であろう。そして、こうした全体の学知に基づく体系の指導に従い、翻訳者は誰(TTの受容者)に·何(STのテキストタイプ)を·何のために(TTの機能性)·どのように(テキスト全体的把握に基づく技法·政略)翻訳するかを精緻でなくてもいいが、正確な手順に沿いながら、翻訳方策や技法の取捨選択を行えるように、翻訳学を構築しなければならないと述べたい。

この課題について、ダニエル(Daniel)は、翻訳理論や規範を翻訳プロセスの異なる段階に対応させ、段取り的に説明することを提案している(ダニエル,2012)。それを実現するには、個々の実務翻訳のプロセスに合致する規範システムの同定が必至となるが、この課題については実質的な研究がまだなされていない。

1.1.4 本研究の路線図

上述のように、これまでの各カテゴリーの翻訳研究は、自身の置かれたコンテキストの下で、自らの必要性から関心を寄せる問題点を中心に、理論構築、記述的研究および応用研究を進めてきた。このような状況で、翻訳学全体を視野に入れ、本論文で取り扱うネットニュースの中日翻訳を含むあらゆる実務翻訳の研究に、適切で実施しやすい理論から方法へ、さらに応用目標に到達できる研究の路線図を提供することが翻訳研究の急務だと考えられる。

まず翻訳学全体を俯瞰できる一般的な翻訳理論を築き上げる。そのうえで、具体的な翻訳活動に呼応し、個別的翻訳理論と、個別的分野のための記述的翻訳研究の方法を同定する。最終的に応用部門の養成と評価のために、合理的な「翻訳規範」を導き出す。このような研究手順こそが諸学説で織りなす地図のような研究体系の中を、実務翻訳の研究が歩むべきルートではないかと述べたいのである。