2.2 メモリ
メモリ(図2-2)とはデータなどを記憶する装置のことをいいます。通常メモリという場合には、CPUが直接読み書きできる半導体記憶装置を指します。パソコンのデータは、ハードディスクに保存されています。パソコンを起動すると、必要なデータがまずメモリに呼び出されて、そこからCPUに送られて計算や処理が行われます。
図2-2 メモリ
パソコンのカタログに書かれているスペック表を見てみると「256MB」といった数字で記載されています。この数字は、メモリの記憶容量を表します。この記憶容量とは、メモリがどれだけのデータを一度に記憶できるか、つまりメモリの大きさがどれくらいなのかを表すものです。
これを勉強机の例で表しますと、どれだけの参考書やノートを一度に広げられるか、つまり作業スペースの広さがどれくらいなのか、ということを意味しています。このとき、作業スペースが狭ければ、ノートや参考書を少ししか広げられません。たくさんの参考書を使おうにも、机の上に置いておくスペースがないのでは、必要な参考書をいちいち本棚まで取りに行かなければなりません。これでは、作業のスピードも遅くなってしまいます。逆に、作業スペースが広ければ、最初からさくさんの参考書を置いておけるので、本棚までのムダな往復をしなくても済みます。また広々としたスペースで勉強できるため、作業も快適に行なえるでしょう。パソコンの場合と同じように、CPUの作業スペースが広い、つまりメモリの記憶容量が大きければ、それだけ作業の効率的に行えます。その結果、パソコン全体の動作が速くなるのです。
代表的な 3種類のメモリを紹介します。まずは、SDRAMですが、数年前までのパソコンの主流になっていたメモリです。より高速なメモリが開発されたこともあり、もっとも安い価格で増設可能となります。次にDDR SDRAMですが、SDRAMの後継メモリであり、SDRAMの2倍のデータをやり取りすることで、高速化が実現されました。次にRDRAMですが、一度にやり取りできるデータ量よりも、対応クロック周波数を高くすることで高速化したメモリです。現在の主流はDDR SDRAMであり、量販店で売られているパソコンに装着しているメモリのほとんどが、DDR SDRAMでしょう。